ガス給湯器からエコキュートへの交換はお得？ 両者の違いと交換のメリットを解説！

かつては「風呂を焚く」と表現されたように、給湯とは火を燃やして水を温める作業から始まるのが当たり前でした。

現在ではさまざまな方法でお湯を得られるようになり、お風呂も「焚く」から「入れる」といった言葉へと変容しているように感じられます。

しかしいまだに炎を燃焼させた熱源は強力で、ガス火は料理や給湯に日々用いられています。

家庭生活においては給湯関連の営みがもっとも多くのエネルギーを消費するといわれていますが、瞬間的に熱いお湯を沸かすことのできるガス給湯器は心強い住宅設備であるといえるでしょう。

その反面、主に環境配慮の側面から化石燃料を用いない省エネ型の高効率給湯器も普及が進んでおり、その一つに電気をエネルギー源として稼働する「エコキュート」が挙げられます。

昨今では新築のみならずリフォームやリノベーションでも従来型給湯器からエコキュートに交換するケースが増加しており、社会を挙げた取り組みになっているといっても過言ではありません。

本記事ではそんな省エネ対策にもとづき、従来型の「ガス給湯器」からエコキュートに交換するとどのようなメリットがあるのか、両者の違いを踏まえて解説します。

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ガス給湯器の仕組みとは？

ガス給湯器とは読んで字のごとく、ガスを燃焼させて得た熱でお湯を沸かす機器です。

使用するガスは大きく分けて都市ガスとLPガスとがありますが、地域性に依拠する問題でありそれぞれにメリット・デメリットが存在します。

瞬間湯沸かし器という言葉もあるように強力な火力で短時間のうちに水をお湯にすることが可能で、コンパクトなため設置スペースを選ばず、小型のものはキッチンに据え付けられるサイズもあります。

ごく大まかにいうとガス火を用いた給湯器ですが、従来型は炎の熱エネルギーの多くが空気中に放散してしまう問題がありロスを免れない構造でした。

しかし現在では放散するはずのエネルギーをさらに二次利用して熱を得るタイプのガス給湯器も登場しており、その代表格に「エコジョーズ」が挙げられます。

エコジョーズでは一旦水を温めるために使った熱エネルギーの放散分をもう一度使用することで高効率な給湯を実現しており、その分少ないガスでお湯を得ることができるものです。

使用する状況や環境にもよりますがエコジョーズは従来型ガス給湯器より10％～15％ものガス使用量削減を可能としており、省エネに貢献する住宅設備の一種とも位置付けられています。

エコキュートの仕組みとは？

一方のエコキュートは、ガス給湯器とは異なり電気エネルギーによってお湯をつくりだす給湯器です。

ガス給湯器も厳密な意味では起動やコントロールに電源が必要ですが、水を加熱するという点においてはまったく異なる方法を用いています。

ただしエコキュートの仕組みは通常の電気温水器とは異なり、電気の熱で水を温めているわけではありません。

エコキュートは「ヒートポンプ」という熱交換装置を備えており、この作用によって空気中の熱を収集し、それを圧縮して温度を高めることによってお湯を得ています。

もう少し詳しく説明すると、ヒートポンプ内部を循環している二酸化炭素に外気の熱を吸収させ、圧縮すると熱が上昇するという気体の性質を利用して水をお湯にするほどの熱を得ているのです。

この気体は「冷媒」と呼ばれ、エコキュートでは二酸化炭素が用いられています。

気体は逆に開放すると温度を下げることから、水に熱を伝えた後の冷媒は開放によって熱を下げ、再び空気中の熱を集めるために循環していきます。

これは冷蔵庫やエアコンの室外機と同様の機能で、循環パターンを逆転することで冷暖を切り替えています。

また、エコキュートはヒートポンプの機能でつくられたお湯を「貯湯タンク」にためておく構造となっている点に特徴があります。

電気料金の安い夜間の時間帯にお湯を作ることを前提としており、貯湯タンク内のお湯は日中に必要に応じて設定された温度になるよう水で割って各所に給湯される仕組みです。

エネルギーロスを可能な限り削減するという要望に応えた給湯器でもあり、こうした特性によってエコキュートはランニングコストの低さでは他の追随を許さない高効率性を持っています。

ガス給湯器からエコキュートに交換するメリットは？

ガス給湯器とエコキュートでは構造も特性も異なりますが、省エネを指向したという点においては同じカテゴリーの機器であるといえるでしょう。

そうしたことを踏まえて、ガス給湯器からエコキュートに交換することには具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。

以下に代表的なメリットを4例見ていくことにしましょう。

ランニングコストの低減

ガス給湯器とエコキュートではランニングコストが大きく異なり、エコキュートに交換することでより光熱費を抑えることが可能となります。

地域や使用条件などによって電気代は変動するため一概にいくらということは困難ですが、エコキュートに交換することによって光熱費はガス給湯器の半分以下になるケースもあります。

設定条件によって数値は異なるため一概にはいえませんが、一例としては高効率ガス給湯器であるエコジョーズを利用した場合の年間ランニングコストが都市ガスの場合約4万円、LPガスだと約7万円という試算があります。

一方のエコキュートは電気代としての年間ランニングコストが約2.5万円であるとされ、圧倒的な光熱費の差であることが理解できるでしょう。

もちろんガス代と電気代の違いがあることや、それぞれの持つメリット・デメリットによって必ずしもエコキュートの方が優れているという意味ではありません。

しかし省エネ性能による環境配慮と家計へのやさしさは、住宅設備としては大きな魅力の一つです。

環境負荷の低減

前項でも少し触れましたが、ガス給湯器からエコキュートに交換することによって、より環境負荷の低減が可能となります。

ガス給湯器は高効率タイプのエコジョーズであっても、当然ながらガスを燃焼させてお湯を沸かします。

天然資源を原料とするガスは掘削や採集のために自然環境に影響を与えることが不可避であり、燃焼させることによって少なからず温室効果ガスを排出します。

一方のエコキュートは完全に電気エネルギーのみで稼働し、夜間の電力が安い時間帯にお湯をつくることや、ためておいたお湯を適宜水で割りながら給湯するといった仕組みからエネルギーロスが少なくほとんど温室効果ガスを出しません。

このようなことからエコキュートへと交換することによって、環境負荷低減に大きく貢献できるメリットがあります。

補助金の有効利用

エコキュートの設置には一定の条件を満たすことで国が定める補助金が支給されることがあります。

これはガス給湯器の設置に際しては受給することができないため、エコキュートへの交換には経済的な面でのサポート体制というメリットがあるといえるでしょう。

たとえば国道交通省・経済産業省・環境省が推進している住宅省エネ化の支援策では、エコキュートを新規に設置する、あるいは交換する際に基本額8万円の補助金が支給されます。

またエコキュートの性能の差、あるいはその他の電気設備の撤去などを伴う諸々の条件によっては、やはり最大で23万円の補助金を受け取ることができます。

国が主導しての社会的な取り組みとしてエコキュートを用いた省エネ対策が推進されており、その環境負荷の低さは地球規模での環境配慮に寄与するといっても過言ではありません。

エコキュートに交換した後のランニングコストの安さや設置に関する補助金の支給など、初期費用の高さを補って余りあるメリットがあるといえるでしょう。

エコキュートへの交換を検討する場合には、このような補助金制度を上手に活用することもポイントです。

火災リスクの低減

ガス給湯器からエコキュートに交換することには、火災リスクを低減させるというメリットもあります。

ガス給湯器は繰り返し述べているように直接的に火を用い、ガスも万が一漏れ出して引火すると大事故になる可能性と隣り合わせです。

もちろん幾重にも安全策が施されているため滅多なことは起きないはずではありますが、万が一インフラへのダメージがあった場合には危険性が跳ね上がります。

その点においてエコキュートは電気のみで稼働することから安全性が高く、万が一停電した場合にはそもそも停止することから火災を誘引する可能性はとても低いでしょう。

厳密には電源から火災を起こすケースがありますが、充分なメンテナンスと細心の注意を払うことで回避できる問題といえます。

このように、ガス給湯器と比較した場合の火災リスクの低さもエコキュートのメリットです。

ガス給湯器からエコキュートへ交換する際のデメリットとは？

ガス給湯器からエコキュートに交換することにはさまざまなメリットがあることを述べてきましたが、その際にはいくつかのデメリットもあります。

その最たるものとしては設置スペースの問題が挙げられます。

ガス給湯器は比較的コンパクトで省スペースでも設置可能なタイプが多く展開されていますが、エコキュートはヒートポンプユニットと貯湯タンクという大がかりな装置を備えており、取り付けには一定のスペースが必要です。

そのため設置空間の問題によってガス給湯器からそのままエコキュートに移行することができないケースもある点に注意が必要です。

まとめ

最後まで記事をご覧いただきありがとうございました。

この記事ではガス給湯器からエコキュートに交換することを前提に、両者の違いを比較しつつ交換によって得られるメリットを解説しました。

エコキュートは本体価格と工事費を含めると初期費用が高額になる傾向にありますが、各種補助金を利用できることとランニングコストの圧倒的な安さから、一定期間の使用で容易に償却できることが知られています。

昨今の環境配慮への取り組みも含めて省エネ対策は重要であり、家計にも直接的な恩恵をもたらすことからますますエコキュートへの注目度は高まりを見せています。

2002年に創業したフジサービス株式会社が展開する「でんきの扉」は、エコキュートの交換・取り付け・購入を扱う専門店です。

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