古いエコキュートから新たなエコキュートに更新するには？ エコキュート同士の交換手順と費用相場を解説！

地球規模での環境保全を念頭に、産業や生業などあらゆる人間活動における省エネルギー化はもはや人類共通のテーマとして取り組みが続けられています。

それは個人レベルでの日常生活においても同様で、節電や節水など日々の積み重ねが奨励されていることは周知のとおりです。

そんななか、家庭生活において最大のエネルギー消費源といわれていることに給湯関連の設備が挙げられます。キッチンやお風呂場、あるいは洗面所などさまざまな場所ですぐにお湯を使えることは暮らしの快適性に大きく貢献していますが、水をお湯に変えるには多大なエネルギーが必要です。

そうした課題に応えるためにさまざまな高効率給湯器が開発されており、電気エネルギーのみで稼働し高い省エネ性能とランニングコストの安さを誇る「エコキュート」はその代表例として普及が進んでいます。

2001年にコロナによって初めて商品化されたエコキュートは家電製品としてはまだ歴史が新しいといえますが、耐用年数の関係や新型モデルの登場などから交換時期を迎える機種も増加しているといえるでしょう。

そこで本記事では、既設のエコキュートを新機種のエコキュートに交換することを想定し、その手順と工事の費用相場について解説します。

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エコキュートとはどんな給湯器？

最初にエコキュートとはどのような給湯器であるのか、その仕組みを理解することによってなぜ省エネや低ランニングコストを実現しているのかについて理解を深めておきましょう。

エコキュートが水をお湯に変えるほどの熱量を生み出す機構としては、化石燃料を燃焼させることでも電気が発する熱を用いることでもありません。

エコキュートではエアコンの室外機などと同様の熱交換装置である「ヒートポンプ」を用いて、空気中の熱を収集して温度を高めることによって水を加熱しています。

このヒートポンプの内部には「冷媒」と呼ばれる気体が循環しており、かつての冷蔵庫やエアコンではフロンが用いられていましたがエコキュートでは二酸化炭素を使っている点が大きな特徴です。

ヒートポンプ内部の冷媒は空気中の熱を吸収し、圧縮すると温度が上昇するという気体の性質を利用して90℃ほどにまで熱を高め、それを水に伝えることでお湯にするのが基本的な仕組みです。

水に熱を移した後の冷媒は開放することによって逆に温度が下がる性質があるため、再び空気中の熱を収集すべく同じ手順を繰り返して循環していきます。

また、こうしてつくられたお湯は「貯湯タンク」というユニットにためておく構造となっているのもエコキュート独特のシステムです。

ヒートポンプは電気料金の安い夜間の時間帯に稼働してお湯をつくることが前提で、夜のうちにためておいたお湯を日中に必要に応じて各所で設定された温度になるよう水で割りながら分配します。

このことにより、エコキュートは少ないエネルギーで効率よくお湯をつくりつつ、無駄なく配分することですぐれたランニングコストと省エネ性能を獲得したといえるでしょう。

古いエコキュートから新たなエコキュートへの交換手順

それでは、既設のエコキュートを新たな機種に交換する際の大まかな手順について見ていきましょう。

基本的にはエコキュートから同じエコキュートへの交換のため、既設の配管や基礎などのインフラをそのまま引き継いで利用できることがあります。

ただし新型機の性能や機能によっては追加の工事が必要な場合もあるため、見積もりの段階でその点をよく確認しておくことが重要です。

以下、個別の注意点も捕捉しつつ概説します。

旧機種の撤去

まずは既設されている旧機種のエコキュートを撤去する必要があります。

そのためには電源を落として配線をカットし、水道栓も止めて配管を取り外すなどさまざまな下ごしらえとしての作業が必要です。

ヒートポンプユニット・貯湯タンクユニットといった重い装置や大きな設備を取り外すことから、充分な作業スペースを確保することも望ましいといえるでしょう。

なお、タンク内の水をあらかじめ抜いておく必要があるかどうかについては確実な正解はなく、基本的に施工業者の要望に従うのがよいでしょう。

自身の手でも水抜きは可能ですが、配管の細部に至るまでの作業は専門の業者が行ってくれるため、そもそも不要とするケースも少なくありません。

また蛇足ではありますが、ヒートポンプと同様に屋外に設置するのが一般的な貯湯タンクユニットは、容量によって当然サイズが異なるため、希望する新機種では設置が可能な大きさであるかどうかを事前によく確認しておくこともポイントです。

配管工事

従来エコキュートを使っており、交換もまたエコキュートにするということであれば既にある配管を基本的に使用できると考えてよいでしょう。

したがって初めてエコキュートを設置するときのように大がかりな配管工事は必要なく、費用を抑えるという意味でもメリットがあります。

ただし旧機種と新機種の性能や機能の差によっては追加工事が発生するケースも皆無ではありません。

その代表例が「追い焚き」機能が付与された機種への転換です。

追い焚きとは浴槽内のお湯を再加熱して温める機能のことで、エコキュートでも上位機種を中心に実装されているモデルが存在します。

注意しなくてはならないのは、エコキュートの追い焚きは清浄なお湯と混ざってしまわないように専用の配管内のみを循環するように設計されている点です。

したがってもし旧機種に追い焚き機能がなく、導入する新機種には付与されている場合にはそのための追加配管工事を行わなくてはなりません。

このようにエコキュートの持つ機能によって必要な配管が異なるケースがあるため、計画段階からスペックをよく把握しておくことが重要です。

新機種の設置

配管までが完了したら、次は新機種のエコキュートを設置します。

エコキュートは先にも述べたようにヒートポンプユニットと貯湯タンクユニットで構成されており、しっかりと水平に固定することが重要です。

そのため専用の基礎を撃つ必要がありますが、これも基本的には旧来使用していた機種を撤去した後のものをそのまま使えることが多いようです。

ただしたとえば地震などの影響で地面そのものにゆがみが生じていたり、経年劣化によって基礎にクラックなどのダメージが生じていたりする場合もあり得ます。

そうしたケースでは新たに基礎ごと打ち直す必要が発生するケースも考えられますが、長く安心して使うためには安全措置が非常に重要であることを念頭に入れておきましょう。

また、特に貯湯タンクユニットは背の高い設備であるため、耐震補強の必要性も視野に入れておくことが肝要です。

配線・配管の接続

新たなエコキュートの本体を設置したら、電気系統の配線や水とお湯の経路となる配管を接続していきます。

エコキュートは高度な回路を備えた精密電子機器でもあるため、電気配線も非常に重要な工事です。

また、配管はパイプなどいくつもの部材を継いでいく作業でもあるため、水漏れがしないよう確実に接続する必要があります。

こうした工事が甘いと適切に動作しなかったり、水漏れによって想定量のお湯がたまらなかったり、あるいは他の部材を腐食させてしまうなどといった事態の原因となりかねません。

工事業者にとってはまさしく神経を使う一連の作業ですが、その分プロフェッショナルとしての技術力が発揮される場面でもあります。

試運転と操作方法レクチャー

設置と配線・接続などすべての作業が完了したら、正常に稼働するかどうかの試運転を行います。

既に解説したとおり、エコキュートは基本的に夜間にお湯をつくってタンクにためておき、それを設定温度になるよう水で割りながら給湯することから少なくとも工事から一晩は経たない限り実証試験を行うことができません。

一定の時間を経て試運転が完了したら、操作方法を業者がレクチャーしてくれることが一般的です。

当然マニュアルも存在しますが、実機を前に説明してもらえる機会は貴重なため、疑問点の解消を含めてしっかりと理解に努めましょう。

旧機種から操作性が大きく変わることもあり得るため、このチャンスを大切にするとよいでしょう。

エコキュート同士の交換にかかる費用相場はいくら位？

エコキュートからエコキュートに変更する際の費用相場としては、大まかに以下の目安が挙げられます。

• 新機種本体代金…20万円～40万円ほど
• 設置工事費用…10万円～20万円ほど
• 旧機種の処分費用…数万円程度

以上、合計で30万円～60万円程度が交換にかかる費用の一例ですが、もちろん追加工事の有無や新機種のグレードによって変動するため、予算と照らし合わせながら計画することがポイントです。

まとめ

最後まで記事をご覧いただきありがとうございました。

この記事ではエコキュートからエコキュートへの交換に関して、具体的な手順と費用相場の例を解説しました。

必要な合計金額は状況によって大きく変わる可能性がありますが、少なくとも新型のエコキュートでは旧来機種よりもランニングコストがさらに低くなることが考えられるため、長期的な視点での省エネ・節約に貢献するといえるでしょう。

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