エコキュートの修理費用相場とは？ 買い替えが必要なサインも合わせて解説！

住宅設備にも環境配慮や省エネといった機能が求められるようになり、自らエネルギーを産生して消費分を相殺したり、高効率稼働によって使用するエネルギー量を抑えたりといった取り組みが進んでいます。

特に一般家庭での日常生活でもっとも多くのエネルギーを消費するとされている給湯周りについて、さまざまな高効率給湯器が登場しているのは周知の通りです。

そんな給湯器の一つに「エコキュート」が挙げられ、長期間にわたって使用することで総体的なランニングコストを従来品よりも大幅に下げることが可能です。

しかし稼働を続けると当然ながら不具合や故障が発生することもあり、その際にはどの位の修理費用がかかるものか気になりますね。

本記事ではエコキュートの修理費用相場の例を症状別に見つつ、買い替えが必要なサインの見極め方について解説します。

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エコキュートとはどんな給湯器？

最初に、エコキュートとはどのような特徴を持つ給湯器であるのかについて概観しておきましょう。

エコキュートは電気のみをエネルギー源としており、電熱ではなくヒートポンプの作用で大気中の熱を集め、それによって水を温めてお湯をつくります。

もう少し詳しくその機構を説明すると、冷媒の二酸化炭素が大気中の熱を集め、圧縮すると温度が上がる気体の性質を利用して高温化し、その熱でお湯を沸かしています。

沸かしたお湯は貯湯タンクにためられ、これを必要に応じて求められる温度に水で割りながら使用するというのが、エコキュートの基本的な原理です。

エコキュートに関する症状別の修理費用相場は？

クリーンなエネルギーを用いた高効率かつ高性能な給湯器であるエコキュートですが、長く使用すると当然ながら不具合が生じることもあります。

そこで症状別に、それぞれの修理にかかる費用相場を見ておきましょう。

あくまでも一例ですが、以下に代表的な8つのケースを挙げました。

お湯が出なくなった

お湯が出なくなるという症状は給湯器として致命的なトラブルで、理由としては根本的な原因が考えられます。

たとえば断水や凍結でそもそも水が供給されていないこと、または止水栓に不具合が生じて水の流れに異常をきたしていることなどが挙げられるでしょう。

エコキュート本体へのダメージの程度にもよりますが、修理にはおよそ16,000～45,000円程度がかかります。

お湯の温度調整ができなくなった

お湯の温度調整ができないというのも重大な症状で、仮にシャワーを浴びている最中に熱湯が出てきたとしたら生命に関わる危険を伴います。

先述した通りエコキュートはタンクにためた高温のお湯を任意の温度に水で割り、必要な箇所に供給するように設計されています。

したがって温度調整が適切ではない場合、水栓が正しく機能していないことやエコキュート本体の基板などコントロール装置に異常のあることなどが想定されるでしょう。

この修理には25,000～49,000円程度がかかるものと考えられます。

お湯の量が調整できなくなった

お湯の量が調整できないという症状は、具体的にはバスタブに設定した分の湯量が正確に供給されないことを示しています。

少なすぎても問題ですが、規定量を超えてあふれ続けてしまっては環境にも家計にもダメージとなってしまいます。

原因としては水位センサーの故障や、循環口に汚れがたまって適正湯量を認識できていないことなどが考えられます。

この症状の修理費用は24,000～51,000円程度が相場です。

湯沸かしができなくなった

お湯が出ないのではなくそもそもお湯を沸かせない、つまりタンクにお湯がたまっていかないという致命的なケースも存在します。

お湯が沸かないのは熱交換装置であるヒートポンプユニットが正しく動作していないことが考えられます。

ヒートポンプユニットは、いわばエコキュートの心臓部ともいえる装置であるため入念なチェックと原因究明が必要です。

ヒートポンプユニットに配された何らかの部品の不具合であれば修理費用は18,000～66,000程度ですが、もし冷媒回路の故障であれば70,000～190,000円ほどと高額な費用が必要となることがあります。

水漏れしている

水漏れをしている場合は一旦エコキュートの使用を全面的に差し止め、水栓を閉めて水の流れを止めることが望まれます。

しかしエコキュートのヒートポンプは冷媒を再冷却する際に大量の結露を生じ、ドレン水として一晩に10Lほども排水する特徴を持っています。

このような排水は特定のドレン口から行われますが、それ以外の場所から運転停止中にも水が出ている場合は漏水の可能性が高いです。

漏水配管の接続不備や部品の緩みなどで引き起こされるため、可能な限り迅速な対応が必要です。

この修理費用相場は14,000～45,000円程度が見込まれますが、漏水箇所や交換すべき部品によって大きく価格が異なる点に注意が必要です。

電源が入らなくなった

そもそもエコキュートの電源が入らなくなってしまった場合、プラグが正しく挿入されているにもかかわらずそうした症状があれば内部基板等の問題に起因する可能性があります。

エコキュートには漏電遮断器という安全装置が設けられていますが、これが解除されなければ電源が正しく入りません。

この修理には14,000～45,000円程度が必要となります。

風呂の自動運転ができなくなった

風呂の自動運転ができない場合、タンクにためられたお湯の量が十分であれば配管の破損や温度センサーの故障などが想定されます。

エコキュートは貯湯タンクにお湯をためておいてそれを分配する方式を取っているため、想定を超えた使用量でお湯が足りなくなるといわゆる「湯切れ」を起こして再びお湯がたまるまで使用できなくなる特性があります。

このような湯切れの状態でないにもかかわらず風呂の自動運転ができないときは、上記のような不具合が生じていると考えられるでしょう。

この修理費用相場は14,000～45,000円程度です。

リモコンがつかない

エコキュートのリモコンがつかないと操作そのものができなくなるため、非常に不便な症状の一つです。

原因にはさまざまなものが考えられますが、断線やリモコン本体の不具合があった場合には分解や交換などの処置が必要となります。

あるいは単にプラグが抜けているだけという事象も少なくないことから、仮にリモコンが点灯しない場合には基礎的な電源部分からチェックし、それでも作動しないときに業者に相談しましょう。

リモコンの修理には19,000～45,000円程度かかるのが一般的な相場感です。

エコキュートのそもそもの耐用年数は？

エコキュートの修理にかかる費用相場について、症状ごとに例を挙げて見てきました。

しかし本体に目立った損傷がなかったとしても、高度な電気製品であるエコキュートは経年劣化によって内部の電子部品がダメージを受けて寿命を迎えることを避けられません。

一般的にヒートポンプユニットで5～15年、貯湯タンクは10～15年が耐用年数の限界であるとされ、機器全体では15年がリミットと考えられるでしょう。

ただし適切な使用法と定期的なメンテナンスによってこれ以上の使用が可能なケースも皆無ではなく、個別の状況で耐用年数は左右されるのが一般的です。

エコキュートは2001年に製品化されたまだ歴史の新しい装置であり、正確にどの程度まで長く使えるのかについてはデータが不足しています。

それでも頻繁に漏水が起こったり、湯にパッキンの破片などが混じったりするような症状がある場合はやはり深刻な不具合が生じている証拠で、寿命と関連付けて考えなくてはならないこともあり得ます。

場合によっては買い替えた方がお得なことも

エコキュートは大切に使うことで長い寿命を期待できる可能性がありますが、その間にも修理や部品交換は必須の作業になると考えられます。

しかし修理を繰り返すうちに費用がかさみ、総計では買い換えた方が安く済むという事態も当然起こりえます。

エコキュートは本体価格が約30～70万円、設置工事費約15万円の合計45～85万円ほどが一般的な初期費用ですが、大がかりな部品交換を必要とする修理が数回にわたるとこれを上回る出費となるケースもあるでしょう。

たとえばヒートポンプユニットの冷媒回路が故障した場合には最大で190,000円程度の修理費がかかりますが、この作業が仮に3回続くとすでに想定初期費用の最低額を超過してしまいます。

稼働期間が長くなれば長くなるほどその他の不具合や故障も発生しやすくなるためさらに修理は上積みされる可能性が高まり、総合的な判断として修理よりも買い替えの方が経済的になることも珍しくありません。

とはいえ業者に修理を依頼する際、専門家の見地から修理よりも買い替えがお得であると判断した場合にはその旨をアドバイスしてくれることが一般的です。

このようなことはエアコンや冷蔵庫などその他の家電製品でも同様ですが、エコキュートは特に高額な買い物であることから、支出とその先のランニングコストを長期的な視点で比較しながら、納得のいく選択をすることが望まれます。

まとめ

最後まで記事をご覧いただきありがとうございました。

この記事ではエコキュートの修理費用について、症状別の相場とともに買い替えが推奨されるケースを解説しました。

修理にかかる費用については同じ症状でも原因や状況によって大きな変動があり、個別のケースで異なることから金額は一応の目安でしかありません。

しかし安心して長く使うことと、エコキュート本来の省エネ・低ランニングコストといったメリットを考慮した場合、修理よりも買い替えることの方が適切であるケースについても認識しておくことが肝要です。

2002年に創業したフジサービス株式会社が展開する「でんきの扉」は、エコキュートの交換・取り付け・購入を扱う専門店です。

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